中国内陸部の四川省自貢市栄県で24、25日にマグニチュード(M)4以上の地震が3回続き、住民が「シェールガス採掘が原因だ」と抗議する事態になっている。因果関係は不明だが、地震では2人の死者も出ており、北京紙・新京報(電子版)は25日、同県政府が県内での採掘停止を発表したと報じた。
中国メディアによると、同県で24日朝にM4・7、25日朝にM4・3、同昼過ぎにM4・9の地震が発生。いずれも震源の深さは5キロという観測だった。3回目の地震では、建物の3階からベランダの柵が落ち、下を歩いていた2人が死亡する被害も発生した。
栄県のある四川省南部にはシェールガスが豊富にあるとされ、同県でも2015年ごろから採掘が本格化した。
ところが、同県では昨年、M1~3の地震が多発し、住民の間で「採掘原因説」が出ていた。今回、地震の規模が大きくなり、被害者も出たことで住民が抗議行動に出たとみられる。
SNS上には、少なくとも数百人の住民が「採掘反対」と横断幕を掲げてデモをしたり、県政府庁舎前で抗議したりする動画が出回っている。地元の住民は朝日新聞の取材に「24日の地震後は家の中で眠れず、外に寝る人もいた。みんなとても不安な気持ちだ」と話した。(北京=延与光貞)