ノーベル財団は5日、今秋からノーベル文学賞の発表を再開すると発表した。賞の選考団体「スウェーデン・アカデミー」の関係者による性的暴行などの不祥事で、昨年の発表は見送られていた。不祥事をめぐるアカデミーの対応と組織の改革を評価し、今年は、昨年分とまとめて発表するという。
同賞をめぐっては2017年、アカデミー会員を妻にもつ文化界の重鎮の男に、性的暴行などの疑惑が浮上。その後のアカデミーの対応の甘さに批判が集中し、18年の発表を見送らざるをえなくなっていた。
男は後に有罪判決を受け、妻はアカデミーを辞任。アカデミーは、空席になった新会員を選び、選考には外部の作家らも参加することなどを決めていた。
ノーベル各賞は毎年10月に受賞者が発表され、12月に授賞式がある。(ロンドン=下司佳代子)