「徴用工」をめぐる問題、韓国海軍によるレーダー照射、そして韓国国会議長の天皇発言。日韓の葛藤は終わりが見えない。いったい両国関係はどうなってしまったのだろうか。 構造的変化に着目を(慶応大教授、西野純也さん) 日韓の政府間関係は1965年の国交正常化以来、最悪のレベルでしょう。2012年の李明博(イミョンバク)大統領(当時)による竹島(韓国名・独島)上陸前後から関係は悪くなっていました。一方、ここ20年ほど民間分野では人や文化の交流がさかんになり、日韓関係のすそ野は広がりました。しかし昨年10月、韓国大法院(最高裁)が日本企業に元徴用工らへの賠償を命じた判決は、多層的な交流に深刻な影響を及ぼしかねません。 日韓の財界や企業は、利益を求め互いに協力してきた。しかし判決で新日鉄住金の資産が差し押さえられ、韓国での日本企業の活動に大きな制約となるでしょう。この状況が続けば、日本政府は対抗措置をとらざるを得ません。 それぞれ米国と同盟関係にある日韓の防衛当局は、信頼を積み上げ、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)も結びました。しかし、韓国軍駆逐艦による自衛隊機へのレーダー照射問題は、感情的対立となってしまいました。 これらが絡み、国民意識、とくに日本人の対韓感情も悪化しています。外交関係が悪くても日韓関係を支えてきた経済、安保、国民意識の分野が傷つき始めています。 韓国は隣国で市場経済や自由、… |
終わり見えぬ日韓の葛藤、両国関係を解きほぐす視点は
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