中日本高速道路(名古屋市)は4月、民営化前の旧日本道路公団時代から使ってきた作業服を32年ぶりに刷新する。これまでの白地のデザインを一新するとともに、「女性目線」のさまざまな提案も採用した。
新たな作業服は、紺色を基調に社のイメージ色であるオレンジを取り入れ、スタイリッシュなデザインになった。同社によると、作業服は主に高速道路の点検や建設現場の視察、防災訓練などで着用するという。
これまでは汚れが目立ち、ダボッとした大きめサイズの男性色の強い作業服だった。一方、1月時点で約2100人在籍する社員のうち女性が約2割。女性社員が増えているため、男女ともに快適で安全性の高い作業服をつくることにした。
新たな作業服は、女性社員の意見を踏まえ、汚れが目立ちにくく、体形にもフィット。重さも旧来のものより約80グラム軽くなったほか、ポケットの数も増えて収納力が向上した。安全面にも配慮し、ひじやひざの部分に反射テープがつき、夜間の作業中も車のライトなどに反射し、気づかれやすくしている。
中日本高速では今回の刷新にあたり、20、30代の男女の若手社員ら15人からなる「作業服検討委員会」を社内に設置。デザイン会社からの複数案に対し、全社員向けにアンケートを取ってデザインを決めた。
委員会からも「ズボンの反射テープは長靴に隠れないようにしてほしい」「物を落とさないよう、ポケットの留め具はチャックに」といった意見が出され、細かな仕様を詰めていったという。委員会メンバーの小川清香さん(36)は「(旧来の作業服は)入社当初、ちょっと人の目が気になったこともあった。様々な改善要望が形になり、達成感がある」と話した。
新たな作業服は、4月以降に全社員に貸与される予定。(佐藤英彬)