犯人の容姿を証言から描き出す「捜査用似顔絵」。その第一人者が今春、大阪府警を退職する。約40年間で手がけた似顔絵は1200枚にのぼり、数々の事件解決に貢献。今も技術を追求し、全国で指導を続けている。
目撃者の横に座り、当時の状況を語る言葉に耳を傾ける。ペンを走らせるのは、イメージが固まってから。最初に顔の輪郭。次に目や鼻、口の位置や大きさを決め、顔全体のバランスを整える。次第に、見たこともないはずの犯人の容姿が浮かび上がってくる。
府警鑑識課長補佐の柴田武彦さん(65)は、こうやって描き続けてきた。「似顔絵には、見た人に想像力をふくらませる力があるんです」と語る。
佐賀県出身。1972年に府警…