サッカーのヴィッセル神戸(J1)は7日、スペインの名門バルセロナからMFセルジ・サンペール(24)を完全移籍で獲得したと発表した。主に守備的MFを務め、スペインの年代別代表にも選ばれた経験を持つ。「ユニホームを着られることは名誉。結果を出すのが使命」と決意を語った。
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バルセロナに所属経験を持つ選手はMFアンドレス・イニエスタ(34)、FWダビド・ビジャ(37)に続き、3人目。選手獲得には神戸の親会社でIT大手「楽天」のトップも務める三木谷浩史会長(53)の戦略が色濃く反映されている。ただ、これまでの移籍とは意味合いが違う。
イニエスタ、ビジャのほか元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキ(33)を含め世界的スターを神戸は獲得してきたが、いずれも30代半ば。サンペールは24歳だ。6歳からバルセロナの下部組織で育ち、2014年にトップデビュー。ケガに苦しんだが、「これから」の選手だ。
自ら口説いた三木谷氏は記者会見にも同席し、「欧州で驚きをもって見られる」と語った。神戸をステップに成長すれば、世界の日本を見る目が変わる。「Jリーグは世界のトップになれる」と言い切る。
04年のプロ野球参入などスポーツへの投資を続ける三木谷氏。その狙いは「社会貢献と事業の側面、さらに楽天ブランドの知名度アップ」にある。イニエスタらの加入で観客と関心を集めることには成功。今後はスターを育てることで神戸とJリーグの存在感を高め、その中心にいる「楽天」の名を世界にアピールする。そんな目算だ。
サンペールは移籍を考える中、イニエスタに電話で「神戸はバルセロナを目指しており、変わりなくプレーできる。サッカーにおいてプラスになる」とアドバイスを受けたという。チーム戦術や育成システムの構築を含めた神戸の「バルサ化」の一翼を担う。(有田憲一)