その名前も、その移籍先もサッカー界では新鮮な驚きをもって受け止められた。高卒4年目の今季、J1で日本人最多タイの11得点。J1仙台で急成長を遂げたFW西村拓真(21)はロシア1部のCSKAモスクワへの完全移籍が決まった。ワールドカップ(W杯)ロシア大会日本代表MF本田がかつて所属した強豪からのオファーに即決。3日、日本を発った。
獲得の申し出とともに、今季欧州チャンピオンズリーグに出場するCSKAモスクワからは試合の映像が届いた。「見た瞬間に移籍を決めました。自分は全てにおいて、力が足りていない。レベルが高いところでやることで成長できる」。国外挑戦の舞台としてロシアは主流ではないが、小さい頃から憧れた海外からの初オファーに迷いはなかった。
自らを「雑草魂」と表現する。富山第一高の2年時に、全国高校選手権で同校の初優勝を経験したが、各年代別の日本代表に選ばれたようなエリートではない。仙台には高校3年の冬に練習参加して、プロ入りを勝ち取った。恩師の一人、仙台の渡辺監督は「意識もプレーもゴールに向かうことが特長。彼はそこを磨き続けた」と語る。
昨季までのプロ3年間でJ1で…