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街灯のない夜道を歩く人にきちんと反応できるか――。国土交通省は今春から、車の衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)の性能評価(自動車アセスメント)にこんな項目を加える。交通死亡事故の約4分の1は夜間に車が人をはねる事故で、その撲滅を目指す。結果は点数化して公表し、メーカーに性能の向上を促す。
新たに加わる試験は、月明かりの夜道に相当する1ルクス未満の明るさを想定。時速30~60キロで対向車とすれ違った直後に、対向車の背後から歩行者が飛び出してくる状況で性能をはかる。
カメラやレーダー、制動機能のほか、ライトにも高度な性能が求められるが、国交省の担当者は「これをクリアできれば間違いなく大きな効果が見込まれる」と話す。高齢運転者の事故抑止も期待される。
歩行者の交通死亡事故件数の割合は増えている
交通死亡事故は1990年代半ばまで1万件を超えていたが、年々減って2018年は3449件だった。エアバッグや車体による衝撃吸収など「車の中」にいる人を守る性能が格段に上がったためだ。
一方、「車の外」にいる歩行者…