中国本土の広東省と香港、マカオの一体的な発展をめざす大経済圏構想「大湾区計画」が動き始めた。中国本土とは政治経済の体制が異なる香港とマカオが本土の地域発展プランに組み込まれるのは初めてだ。ただ、対中感情が複雑な香港では中国の影響力が強まり、高度な自治を保障した「一国二制度」が後退するとの懸念もでている。
同計画は習近平(シーチンピン)国家主席が主導する国家戦略で、2月に概要が公表された。省都・広州、ハイテク企業が集積する深圳、国際金融センターの香港、カジノで有名なマカオを中心都市と設定し、経済連携を深める。計画全域の域内総生産(GDP)は約1・64兆ドル(約184兆円)で、カナダの経済規模に相当する。進出する日系企業の間でも商機拡大の期待が高まる。
現在開かれている中国の全国人民代表大会(全人代)でも、広東省の代表や、中国本土からのカジノ客で経済が潤い、親中感情が強いマカオの代表から歓迎する声があがった。
香港では、政財界から「長期的…