日本出版取次協会は、中国地方と九州地方で4月1日以降、雑誌や書籍の店頭発売日が遅くなると発表した。本の輸送会社から、人手不足によりトラック運転手の長時間労働が常態化しており、法令違反の状態にある現状を改善したいと要請を受けたためだという。
輸送に時間のかかる地方では今も首都圏とは発売日が異なっており、書籍と雑誌ともに基本的に中国地方は1日遅れ、九州地方は2日遅れ。4月以降はそれぞれの地域で書籍の発売日がさらに1日遅くなる。中国地方ではほとんどの雑誌も同じくさらに1日遅れとなるほか、九州地方ではニュースを扱う総合週刊誌などが1日遅れる見込みだ。
北海道や沖縄は、トラックではなく鉄道や船による輸送が中心のため、変更はないという。出版流通関係者は「トラック業界で法令順守の動きが強まるなか、現状の発売日の維持が難しい地域はほかにも出てくるかもしれない」と話す。電子書籍の普及も進んでおり、発売日の遅れの広がりは地方の書店に影響を与えそうだ。(加藤勇介)