客の全身を撮影し、3Dデータを作る機械が名古屋パルコにお目見えした。約120のカメラが撮った画像をコンピューターで合成し、背後や頭上からの姿も確認できる。衣料品販売での導入に向けた試行的なもので、パルコの店では全国初の取り組み。
栄の中心部にある名古屋パルコは、6月で開業30年。「3」にちなみ、一部店舗の買い物客を対象に3Dデータを無料で作ることになった。
機械が置かれているのは西館8階。19本の柱に囲まれたブースで数秒間撮影すると、3D画像が作れる。カメラは柱の至る所に置いてある。撮影した客は個別に配られるサイトにアクセスすると、3D全身画像を閲覧できる。SNSでシェアできる。それとは別に、店員が着た20ブランドのファッションコーディネートもパルコのサイト(
https://nagoya.parco.jp/page/3dth/shop/
)で見られる。
この機械をパルコが導入したのは、2017年秋のこと。ITを活用し、これまでと違った買い物体験をしてもらう狙いがある。苦戦が続く衣料品販売のテコ入れにもつながる。デジタル推進担当、安藤寿一さんは「ウェブ上の商品紹介は正面写真が多いが、3D画像は後ろ姿や斜めからの印象も分かる。来店前の『接客』の質を上げることにもつながる」。全国での導入策を検討するという。
実施するのは21日までと23、24、30、31日。(斉藤明美)