兵庫県尼崎市立中学2年の女子生徒(当時13)が2017年12月、「学校がしんどい」とメモを残して自殺した問題で、生徒が亡くなる5日前にあった期末懇談で、学校での人間関係を尋ねた生徒の母親に対し、担任の教諭が「問題ない」と答えていた。生徒はその約1カ月前に学校が実施した2度のアンケートに、いずれもいじめをうかがわせる回答をしていたという。
経緯を調べた弁護士らによる市教委の第三者委員会が報告書で指摘した。
報告書によると、女子生徒は17年10月ごろ、クラスのグループから「きもい」「うざい」と陰口を言われ、11月には悪口を直接浴びせられるようになった。
学校が11月1日に実施した生活状況を問う定期アンケート(選択式)で「最近、同級生から何か嫌なことをされたか」との質問に「時々ある」と回答。同6日には、いじめの有無などクラスの状況を問うアンケート(マークシート式)があり、「友達に嫌なことをされたり言われたりする」という質問に「すごく当てはまる」と答えた。
担任は1日のアンケートは確認したが、面談時に生徒から詳しく状況を聞き取らず、他の教諭とも共有しなかった。6日のアンケートは内容を確認せず、集計する他の教諭に渡した。
そんな中、生徒への悪口は次第に攻撃的になり、「死ね」という言葉を周りの生徒も聞くようになった。
市教委によると、担任は「生徒に『大丈夫?』と声をかけたら、大丈夫と返事があった」と調査に答え、当時、状況の重大性を認識していなかったという。
同じ頃、女子生徒は部活動でも…