2020年東京五輪・パラリンピックの招致に絡む買収疑惑で、仏司法当局の捜査対象となっている日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(71)が19日、東京都内で開かれたJOC理事会で退任する意向を表明した。竹田氏は「世間をお騒がせしたことを大変心苦しく思う。今期をもって役員の定年を迎える。JOCの将来を思うと次代を担う若いリーダーに新しい時代を切り開いていただくことが最もふさわしい」と述べた。国際オリンピック委員会(IOC)委員も辞任する。
そもそも五輪招致疑惑の構図とは?
JOC竹田恒和会長、退任の意思 五輪招致で買収疑惑
疑惑の当事者となっている竹田氏に対しては、20年大会組織委の関係者らから「東京大会のイメージを損なう」などと資質を問う声が高まっていた。
01年に会長に就任した竹田氏は現在10期目。20年大会の招致委員会では理事長に就き、いまは大会組織委の副会長を務める。JOC会長としては今年6月に改選期を迎えるが、当初は「東京五輪までは竹田体制で」というのがJOC内外での既定路線だった。
だが、仏当局が昨年12月、「東京招致が決まった13年に180万ユーロ(約2億3千万円)の贈賄に関わった疑いがある」として、竹田氏をパリで事情聴取したことが今年1月に入って判明。竹田氏を容疑者として本格捜査に乗り出した。
竹田氏は「潔白」を主張しているが、この金が開催都市決定の投票権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)委員の買収工作に使われた嫌疑がかけられている。
JOC会長の後任には、同常務理事で全日本柔道連盟会長の山下泰裕氏(61)の名前が挙がっている。