乳児用の液体ミルクの販売が始まりました。常温で保存でき、粉ミルクと違ってお湯に溶かして冷ます必要がないため、災害への備えだけでなく、育児の負担が軽くなることも期待されています。どんな点に気をつければいいのでしょうか。
容器や量に違い
「液体ミルクは哺乳瓶に移し替えるだけなので、およそ10秒ですぐに授乳できます」
液体ミルク「アイクレオ赤ちゃんミルク」を開発した江崎グリコは店での販売を始めた11日、都内のベビー用品店で試飲会を開き、手軽さをアピールした。参加した保護者が実際に液体ミルクを与えると、赤ちゃんたちはごくごくと飲んでいた。
9カ月の長男を連れた女性(27)は早速5個買った。2011年に東日本大震災が起き、福島市の実家は約1週間、水とガスが止まった。ボランティアで訪れた避難所は混雑しており、「避難所で粉ミルクを使うのは難しいと思う。災害用に備蓄したい」。6カ月の長女と参加した女性(31)は「外出時の荷物を減らせるし、夜間の授乳にも便利。計量したり、温度を調節したりしなくていいので失敗がなく、慣れていない家族も使いやすそう」と話した。
明治も13日、液体ミルク「明治ほほえみ らくらくミルク」を今月下旬から一部施設で、4月下旬からは全国のベビー用品店やドラッグストアなどで販売すると発表した。
同じ「液体ミルク」でも、それぞれ特徴がある。グリコは持ち運びに便利な紙パック製で、賞味期限は6カ月。125ミリリットル入りで希望小売価格は税別200円。一方、明治は災害備蓄を見据え、丈夫なスチール缶を採用し、賞味期限は1年。240ミリリットル入りで、希望小売価格は税別215円だ。いずれも滅菌済みで、温める必要はない。保存料も入っておらず、生後0カ月から飲ませることができる。同量の粉ミルクと比べると栄養成分はほぼ同じだが、価格は液体ミルクのほうが割高だ。
与える際、どんな点に注意すれ…