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一度は投手あきらめた札幌大谷・太田 ずらしてゴロの山

(24日、選抜高校野球1回戦 札幌大谷4―1米子東)


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一度はあきらめた投手の道だった。生き残りをかけて投球術を磨いたサイドスローが、チームを甲子園初勝利に導いた。


札幌大谷の右腕太田流星(3年)は、上手投げの投手として札幌大谷中に入った。待ち受けていたのは、自分より体格も能力も上回るライバルたちだった。指導者の勧めで外野手に転向したが、マウンドをやっぱりあきらめたくなかった。「中学最後の1年は投手をやりたい」と中2の冬に投手に復帰。だが、チームの柱には本格派右腕の西原健太(同)がいた。「打者の目をずらせる投手になろう」。横手投げに生きる道を見いだした。


フォームはアンダースローに近いサイドスローで、足腰に負担もかかる。厳しい北海道の冬でのトレーニングにも励んだ結果、「多彩な変化球で試合をつくれる」と、船尾隆広監督の信頼を勝ち取った。


背番号は「17」ながら昨秋の明治神宮大会では、準決勝の筑陽学園(福岡)戦で八回まで無安打の快投。初優勝に大きく貢献した。技巧派右腕として、西原とともにチームの二枚看板に成長した。


「中学時代は、甲子園で投げられるなんて、思ってもいなかった」。そんなあこがれの舞台に立ち、この日は珍しく緊張に襲われた。


五、六回に計5四死球と制球を乱す場面もあったが、低めに変化球を集め、相手打線を詰まらせた。1失点完投。内野ゴロの山を13個築き、外野に打球を飛ばされたのも4本だけだった。1球に集中しきった初めての甲子園。「ひやひやしたけど、勝ててよかった」と笑みを浮かべた。(高岡佐也子)



○北本(札) 一回、先頭で左越えへ先制本塁打。「(初出場の初戦で)緊張しているみんなを勇気づけるバッティングをしたくて、必死でバットを振りました」


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