夏の味覚・ハモと言えば京都の食文化と連想する人も多いはず。九州では大分県中津市が産地として有名だが、そのハモをめぐり、「うちの特産でもある!」とPRに力を入れ始めている土地がある。養殖カキのブランド「豊前海一粒かき」などで知名度を上げているあのまちだ。
中津市に隣接し、福岡県東部に位置する豊前市。カキの養殖だけでなく、「豊前本ガニ」のブランドで売り出しているワタリガニや、イカやエビといった海の幸の豊かな土地柄だ。
豊前市によると、市内でハモ漁を行っているのは30軒ほど。多い人で年間5トン程度の水揚げがあり、合計すると数十トンになる。かつてその多くが県境をまたいだ中津市の市場に出されていた。だが、今は豊前市にある水産振興施設「うみてらす豊前」でも直売される。ただ、近辺でも「ハモといえば中津」の印象を持つ消費者は少なくない。
産地として認知度を高めたい――。関係者のそんな思いから、地元ではさまざまな動きが出始めている。
食品会社よかろう(豊前市)は…