平成に代わる新しい元号は4月1日午前11時半ごろ、菅義偉官房長官が記者会見で発表する。天皇退位に伴う改元は憲政史上初で、新元号が皇位継承に先立って事前発表されるのも初めて。日本の古典など国書が初めて典拠になるかどうかも焦点だ。
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安倍晋三首相は3月31日、東京・上野公園の東京国立博物館で天皇陛下の即位30年を記念した展覧会を鑑賞。その後、記者団に「日本が今まで守り続けてきた伝統文化の上に、新しい日本を切り開いていきたい」と述べたうえで、元号について「様々な方々からご意見を伺いながら、決定していきたい」と語った。
日本の元号は出典が確認されている限り、中国の儒教の経典「四書五経」など漢籍を典拠としてきた。安倍政権の支持基盤である保守派には、日本で記された国書に由来する元号を期待する声がある。
今回の改元にあたって政府は、国書を専門とする複数の学者にも考案を依頼。菅氏が元号の原案として数案を選ぶ前の段階の20案程度の中にも、国書に由来する案が含まれている。「日本書紀」などの漢文は漢籍を引きながら記されているため、国書と漢籍の双方が典拠となる可能性も指摘されている。
菅氏は1日午前、元号の原案として数案を選定。新元号は、有識者による「元号に関する懇談会」、衆参両院正副議長への意見聴取、全閣僚会議を経て臨時閣議で決まる。正午からは首相が記者会見し、新元号に込めた意義や国民へのメッセージを発表する。
4月1日の新元号決定・発表の流れ
9時30分 菅義偉官房長官が「元号に関する懇談会」に元号の原案を提示
10時20分 衆参両院の正副議長から意見聴取
全閣僚会議で協議
臨時閣議で、新元号を記した政令を決定
11時30分 菅官房長官が記者会見で新元号を発表
12時00分 安倍晋三首相が記者会見