憲政史上初となる天皇退位の儀式は、4月30日午後5時から開かれることになった。政府が19日の「式典委員会」(委員長=安倍晋三首相)で決めた儀式の細目に盛り込んだ。今秋の儀式にあわせた晩餐(ばんさん)会の総合アドバイザーに、狂言師で演出家の野村萬斎さんを起用することも決めた。
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細目を決めたのは、4月30日と5月1日に国事行為として行う3儀式。4月30日の退位の儀式は「退位礼正殿(せいでん)の儀」で、首相が特例法に基づき天皇陛下が退位することと感謝などを述べた後、天皇陛下から国民に向けた最後の「おことば」がある。先に首相があいさつすることで、天皇の意思に基づく退位ではないことを明確にする。皇位のしるしとされる三種の神器のうち、剣と璽(じ)(まがたま)も会場内に置かれる。
5月1日の「剣璽等承継の儀」と「即位後朝見の儀」は1989年1月の平成への代替わりの際と同じ内容。朝見の儀の中で、新天皇から国民に向けた最初の「おことば」がある。
野村さんが演出するのは、新天皇即位を宣言する10月の「即位礼正殿の儀」で来日した外国元首らをもてなす首相夫妻主催の晩餐会。伝統芸能の演者や演目、演出方法を助言する。既に「親から子に引き継がれていく要素を入れてはどうか」といった提案を受けているという。