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ほえる丸山、13分超す熱戦制しV 世界王者の阿部下す

柔道の全日本選抜体重別選手権最終日は7日、福岡国際センターで男女7階級があり、男子66キロ級は丸山城志郎(ミキハウス)が決勝で世界選手権2連覇中の阿部一二三(日体大)に競り勝ち、2年連続2度目の優勝を飾った。73キロ級はリオデジャネイロ五輪金メダルの大野将平(旭化成)が決勝で世界2位の橋本壮市(パーク24)に勝ち、81キロ級は永瀬貴規(旭化成)、60キロ級は永山竜樹(了徳寺学園職)が制した。


女子は57キロ級で世界王者の芳田司(コマツ)が3年ぶりの優勝。52キロ級は角田夏実(了徳寺学園職)が2連覇。48キロ級は地元の福岡・南筑高3年の古賀若菜が初優勝した。


投げ技の応酬、鳴りやまぬ拍手


長い、長い、男子66キロ級の決勝が終わった。大会を連覇し、ほえた丸山。畳に仰向けに倒れた阿部は、ぼうぜんとしたまま動けない。13分を超える戦い。「意地と意地のぶつかり合い。なかなか海外ではありえない」。男子日本代表の井上監督をうならせた。


延長開始1分37秒。二つ目の指導を受けた丸山は覚悟を決める。「最後は気持ちの戦い。投げて勝つ」。世界王者の21歳との投げ技の応酬に会場の拍手が鳴りやまない。途中、阿部の足技が技ありと判定されたが不十分で取り消しに。そして、延長9分23秒。丸山がともえ投げを仕掛けて阿部の体を浮かせ、技あり。熱戦に終止符を打った。


バルセロナ五輪代表の父を持つ、宮崎県出身の25歳。天理大時代に左ひざを手術した。頭角を現したのは結婚した昨年からだ。減量など食事面でサポートを受け、「より柔道に集中できるようになった」。練習拠点の母校・天理大の穴井監督が「日本刀」に例える切れ味鋭い内股を武器に、直近の国際大会で3連勝。昨年のグランドスラム大阪の決勝に続き、再び好敵手との直接対決を制した。


阿部とともに今夏の世界選手権代表に決まったが、東京五輪の出場枠は各階級1人。それだけに「僕が一番強いと見せたい」と丸山。父・顕志さんは五輪でメダルには届かなかった。「五輪で優勝して、おやじ超えを果たしたい」。親子の夢に向かって突き進む。(甲斐弘史)


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