韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は11日、ワシントンでトランプ米大統領と約4カ月ぶりに会談する。2月末のハノイでの2回目の米朝首脳会談が合意なしで終わって以降、初の会談。文氏はトランプ氏から直接、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と非核化交渉を続ける意思を引き出し、両者の仲介役として対話再開を促す考えだが、見通しは不透明だ。
「現時点では北朝鮮と米国の両方に信頼されているのは文大統領だけだ。今回も役割があると期待する」
9日、韓国大統領府関係者は記者団にこう語り、今回の会談の目的が米朝対話の枠組みを維持することだと明かした。
大統領府の鄭義溶(チョンウィヨン)国家安保室長は4日、北朝鮮への特使団派遣を「検討している」と国会で語った。文氏は、トランプ氏から対話継続に前向きな発言を引き出せれば、特使を通じて正恩氏に直接伝え、3回目の米朝首脳会談の実現を促す考えとみられる。
文氏が米朝対話の促進者を自任し、前のめりになる背景には、長期にわたり中断すれば、再び朝鮮半島情勢が悪化するとの焦燥感がある。韓国ギャラップによると、今月上旬の文氏の支持率は就任後最低の41%。支持率回復策として期待する正恩氏のソウル訪問も、非核化への動きが進まなければ実現困難で、対話は政権の行方を左右する。
ただ、ハノイでの米朝首脳会談…