9月に開幕するラグビーワールドカップ(W杯)で、4試合が開かれる愛知県豊田市の豊田スタジアムは、東日本大震災の被災地の会社が作った「復興芝生」に張り替えて本番を迎える。昨年の試行で質の高さが証明されたことで正式導入を決めた。元ラガーマンでもある同社社長は、「復興を目指す我々にとって大きな励み。試合も見にいきたい」と喜んでいる。
スタジアムへ芝生を納めるのは宮城県山元町の「東日本復興芝生生産事業」。同社は、震災から2年後の2013年、県内の会社経営者ら有志6人で設立した。津波をかぶった沿岸部で新たな町の特産品を作るのが目的。塩害に強く、砂交じりの広大な農地を利用できることから芝生に目をつけた。大坪征一社長(78)=仙台市=の流された実家の跡地200平方メートルに苗を植えてスタートした。
地元の山元町を中心に、公園、校庭用にと注文が舞い込むようになり、栽培面積は徐々に増えて、今では15ヘクタールになる。「復興芝生」として商標登録もした。
一方、豊田スタジアムは、客席…