東京電力福島第一原発3号機の使用済み燃料プールにある核燃料の取り出し作業が15日朝、始まった。事故時に原子炉内にあった燃料とは別に建屋のプール内に保管されている核燃料566体を遠隔操作で2年ほどかけて取り出す。4号機はすでに搬出を終えたが、メルトダウンを起こした1~3号機では初の作業となる。
この日、構内の別の建物内に設けたモニターを通して、作業の様子が報道陣に公開された。午前8時半すぎ、3号機から約500メートル離れた操作室の様子や水中カメラの映像が中継された。燃料は長さ約4・5メートル、重さは1体あたり約250キロ。取り出し装置がプール内に下ろされ、燃料先端のハンドルをつかんだ。水中で専用容器に移し、クレーンで約30メートル下の地上へ下ろす。近くの共用プールに運ぶ工程を繰り返す。世界でも例のない作業で難航が予想される。
使用済み燃料の搬出は1、2号機は2023年度、溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)はいずれかの号機で21年度から始まる予定だ。(石塚広志)