芸能人やスポーツ選手らが「がん」を公表する例が相次ぐ。その姿に励まされる患者がいる一方、世間の反応に傷つく人もいる。2人に1人ががんになる時代。どう受け止めればいいのか。
生稲晃子さん(俳優)
2011年、私は初期の乳がんの告知を受けました。
ちょうど散歩をテーマとした健康番組に出演していたころです。私の病気は、番組にそぐわないんじゃないか。まず、そんなことを考えました。しこりは8ミリと小さく、転移もありませんでした。せっかくレギュラーに起用してもらったのだから、降りざるをえない状況が来るまでは番組を続けたい。私は公表しないことを決めました。
がんのことは夫と当時5歳の娘ら限られた人だけに伝え、必死で隠しました。その後に2度再発。右の乳房を全摘した2度目は、最悪のことも考えるつらい日々でした。
でも一番苦しかったのは、病気…