福岡市博物館が所蔵する国宝「金印」の新グッズが発売された。「漢委奴国王」の印面を粘土に押して素焼きにしたもので、金色に塗ったタイプもある。
古代社会で重要文書を入れる箱の封印に用いた「封泥(ふうでい)」の様子を再現した。約2・3センチ四方の実物と同じ大きさ。博多人形の伝統工芸士が創作に使う粘土で一つずつ手作りし、「福岡らしさ」を帯びた一品だ。裏側にはマグネットをつけて実用性も加えた。
金印は1784年、博多湾の入り口にある志賀島(しかのしま)で見つかった。中国の歴史書「後漢書」によると、紀元57年、福岡平野にあった奴国(なこく)の王が漢の皇帝から贈られたとされている。
29年前の開館時から販売が続く合金に金めっきを施したレプリカは、訪日観光客を中心に根強い人気がある。今はクリアファイルやタオルなど数種類の金印グッズがそろうが、担当学芸員の佐藤祐花さんは「マグネットも息の長いお土産になってほしい」と期待を寄せる。
3種類あり、1個500円。博物館のミュージアムショップのほか、市文化芸術振興財団が郵送販売している。(伊藤宏樹)