墜落した航空自衛隊三沢基地(青森県)所属のステルス戦闘機F35Aの捜索に、日米が共同して取り組む。同機は機密の塊とされ、「中国やロシアに、金属片でも回収されれば痛手だとの共通認識が日米にある」(防衛省幹部)という。
防衛省は23日、海洋研究開発機構の研究船「かいめい」を捜索に参加させることを明らかにした。水深約3千メートルで活動できる無人探査機などを備えている。2008年に起きた海自のイージス艦「あたご」と漁船の衝突事故では、同機構の別の船が約1800メートルに沈んだ漁船の発見に貢献した。
一方、米軍は、チャーターした民間船「ファン・ゴッホ」を現場に派遣する。海底油田開発などに使われる潜水作業支援船で、水深3千メートルからつり上げが可能なクレーンなどを備える。
F35Aは三沢基地の東約135キロで消息を絶ち、水深1500メートルほどの周辺海域に沈んだとみられる。これまでに防衛省は無人探査機などで探してきたが、どこに沈んだか特定できていないという。(古城博隆)