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寝るだけじゃない「進化形」カプセル 簡易宿所が増加

終電を逃した時や出張など、宿での滞在時間が短い場合に助かるのが割安なカプセルホテル。ただ、最近は寝心地や内装にこだわった施設の新規出店が増え、「簡易宿所」の数を押し上げている。


知っとこ!DATA 数字からトレンドを読み解く


旅館業法は「宿泊する場所を多数人で共用する」施設を簡易宿所と定める。カプセルホテルのほかにユースホステル、ペンションなどが含まれ、厚生労働省の調査によると2017年度の施設数は3万2451と4年前と比べて約27%も増えた。同時期にホテルは約6%増、旅館は11%減と簡易宿所の伸びが突出している。


カプセルホテルのベッドを製造しているコトブキシーティング(東京)では、1991年をピークに減少傾向が続いていたベッドの出荷数が2011年以降に増加に転じた。16年には11年の約5倍に急増し、17年には過去最高を記録したという。


カプセルホテルの新規出店で目立つのが、従来の「寝られればいい」とのイメージを覆す高級感を持つ「進化形」のカプセルホテル。代表例の一つが、東京、大阪を中心に11店舗を展開する「ナインアワーズ」だ。


建築家やインテリアデザイナーと組み、各ホテルの内装や照明は洗練されたカフェのよう。枕や布団もカプセル用に特注したものを使い、寝心地を追求している。男性と行き交わないように区分分けした女性専用フロアも用意し、女性の利用者も多い。宿泊価格の割安さを重視する訪日客らにも受けが良く、利用者の半数以上が外国人だという。


「進化形」と呼ばれる施設にはほかにも、旅客機のファーストクラスをイメージした「ファーストキャビン」や、コワーキングスペースを備えた「ザ・ミレニアルズ渋谷」などもあり、多様化が進んでいる。(久保田侑暉)


「ナインアワーズなんば駅」(大阪市浪速区)は、4月26日にオープン。南海電鉄難波駅に直結するビルの3階にあり、客室数は男性用82室、女性用83室の計165室。1人あたり1泊税抜き4900円から(日によって変動)。シャワーだけの利用(700円)や仮眠(最初の1時間は1千円、以降1時間ごとに500円)もできる。(知っとこ!DATA)


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