長崎市の国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館で22日、原爆死没者名簿を外気にあてる「風通し」があった。計183冊の名簿には、昨年7月末までに亡くなったことが判明した被爆者ら17万9284人の名前や享年などが記されている。白い手袋をはめた市職員が1枚ずつめくり、傷みなどがないか確認していった。
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昨年からは、国が定める被爆地域の外にいたとして被爆者健康手帳の交付が認められていない「被爆体験者」も、申請があれば名簿に記載されている。
市調査課の鈴木誠也さん(26)は、原爆投下翌日に入市した祖母をもつ被爆3世。「1ページ1ページをめくり、これだけの数の被爆者が亡くなったことを改めて感じました」と話した。(田中瞳子)