白いナンバープレートを付けた軽乗用車が茨城県内で増えている。きっかけは、ラグビーワールドカップ(W杯)や2020年東京五輪・パラリンピックを記念する白色プレートの交付。背景には、「黄色ナンバー」へのコンプレックスがあるようだ。
ナンバープレートの交付を行う関東陸運振興センター茨城支部(水戸市)によると、白色プレートの交付が始まったのは、ラグビーW杯の記念プレートが2017年4月、五輪のプレートは同年10月。通常は黄色のプレートの軽自動車でも付けられる。
県内で交付された記念プレートの数は、今年1月末時点で8万803枚(ラグビーW杯が1万6776枚、五輪が6万4027枚)。うち約9割を占める7万2369枚が軽用だった。交付費用は県の場合、一般的な普通自動車や軽自動車に差はなく、7千円強かかる。
記念プレートのデザインは、ラグビーW杯、五輪ともに2種類ある。ほぼ白地で右上に小さく大会エンブレムをあしらったものと、大きな図柄が描かれているものだ。前者の交付枚数は後者の約7倍。図柄入りは1千円以上の寄付をした場合に取得できるという事情はあるが、全体が白っぽく見える方に人気が集まっていることがうかがえる。
一般社団法人全国軽自動車協会連合会(東京都)によると、茨城県内の軽自動車のシェアは18年の3月末時点で約35%(全国39位)。道路上では少数派だ。ひたちなか市の中古車販売業、山田久義さん(39)によると、ドライバーたちからは、黄色プレートに対して「ださい」「他の車にあおられる」などの声が根強いという。
記念プレートは、新車だけでなく、すでに所有している軽自動車も付け替えられる。SNSなどでは、軽乗用車でも白色プレートがつけられる「裏技」として、記念プレートを取得する方法も紹介されている。山田さんは「交付が始まって以降、軽を買う人の半数以上が記念プレートを選んでいる」と話す。
■色分けの必要性…