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連係プレーに夫婦の息ピッタリ 池で溺れた8歳児を救出

池でおぼれていた男児(8)を救出したとして、奈良県警香芝署は10日、同県大和高田市の幼稚園用務員の淵脇次男さん(71)、パート従業員の佳子さん(60)夫妻に感謝状を贈った。次男さんが泳いで男児を岸まで運び、佳子さんが引き揚げた。


事故があったのは4月15日午後5時50分ごろ。淵脇さん夫妻が家の中でくつろいでいると、外から女性の叫び声が聞こえた。


「子供が溺れています!」


2人は外に飛び出すと、家のすぐ近くにある広陵町の柏手池で男児が溺れていた。岸から約2メートルの水中で、上半身をドタバタさせてもがいている。


次男さんはすぐさま池を囲う柵(約1メートル)を乗り越え、濁った水中に飛び込んだ。次男さんは身長163センチ、飛び込んだところの深さは約2メートル。


足もつかない中、男児まで泳いで近づいた。男児はすでに池の中に頭まで沈んでいる。抱きかかえて、必死の思いで岸に戻った。


佳子さんはいったん家に戻って119番通報すると、自ら柵を乗り越えて池の岸に。次男さんが抱きかかえてきた男児を、引っ張り上げた。


佳子さんは放心状態の男児を家の中で毛布にくるみ、腕の中に抱いていた。ほどなくして救急車が到着。男児は病院に搬送され、大きなけがはなかったそうだ。


佳子さんは「助けられてよかった。抱きかかえた男の子の顔を忘れられません」と話した。次男さんは「本格的に泳いだのは若いとき以来。自分がどうやって池の中に飛び込んだかはよく覚えていません。冷静に考えていたらできなかったんじゃないかな」と振り返った。


署によると、1人で水難救助を行うのは危険を伴うが、今回は夫妻で協力できたので奏功したという。(福岡龍一郎)


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