コンブを干す作業をスマートフォンで疑似体験できるサイト(
http://kombuhosuhosu.com/
)を北海道利尻町が作った。6月半ばから8月にかけて、特産の利尻昆布作りに携わる人手が足りず、アルバイトを確保するのがねらいだ。
サイトは「昆布ホス!ホス!~デジタル体験版~」。スマホを手前に動かすと、画面のコンブが本物とほぼ同じ3メートルまで延び、実際に干しているような感覚が味わえる。手前に引く代わりに、指でスクロールしても干せる。進行役として利尻の漁師という親方キャラクターが登場し、「なんだオメェ!もっと腰入れろ!」「そんなんじゃ、干し終わる前に乾いちまうぞ!」「最後まで気を抜くんじゃねぇぞ!」と厳しくも温かい言葉をかける。
干し終わると、コンブ干しの作業を写真で紹介するページやアルバイトの応募ページにつながる。
2018年の利尻町の養殖コンブの水揚げは、乾燥重量で190トン。記録が残る1999年以降、ピークだった07年の311トンの6割に減った。町によると、人出が確保できず採りきれないのが最大の理由だ。
町まち産業推進課の平沼利弥さん(29)によると、養殖ものが水揚げされる6月中旬~8月は養殖漁業者1世帯あたり20人ほどが必要という。高齢化率41・1%の町では、親戚をかき集めても特に若者の力が足りない。「体力仕事で高齢者には大変だが、なかなか若者にアプローチできなかった。コンブに興味を持ってもらうきっかけになればうれしい」と話す。
募集しているのは6月15日~8月10日の間、1カ月以上従事できる18歳以上の男女で、高校生不可。詳しくは同課水産農林振興係(rishirikonbu@town.rishiri.hokkaido.jp)へ。(片山健志)