北方領土・歯舞群島の一つ、貝殻島周辺の水域で2日、コンブ漁が始まった。
午前6時に花火とともに北海道根室市の納沙布(のさっぷ)岬に立つ灯台に白旗が掲げられると、沖に集まった小型漁船が岬から3・7キロ離れた貝殻島へ一斉に向かった。
漁は、好漁場の貝殻島が第2次世界大戦で旧ソ連軍に占領された後、相次いだ漁民の拿捕(だほ)事件を受け、1963年にソ連側に採取料を払って操業する民間協定を結んで始まった。解禁は1日だったが、悪天候のために延びていた。令和では初の出漁となる。
コンブの採取量3470トン、ロシア側に支払う採取料9084万円は昨年と同じ。漁には根室市内の3漁協に所属する239隻が参加し、9月30日まで操業する。(大野正美)