5人に2人が「内々定」
4月下旬、東京・新宿で開かれた合同会社説明会。この日、外食業界3社の説明を聞いたという私立大4年の男子学生は「春休み中に『内定』をもらった同級生もいる。夏休み前には何とか決めたい」と話した。
就活の最前線ではすでに「内定」の言葉が飛び交っている。人手不足に悩む多くの企業は、他社よりも先に優秀な人材を確保しようと、採用活動を早める傾向だ。
ただし、経団連の就活ルールでは「3月に説明会開始→6月に採用選考開始→10月に内定」となっている。加盟企業にはこのルールを守るよう呼びかけており、正式に「内定」を出せるのは10月だ。学生の言う「内定をもらった同級生」というのは、正確には「内々定」と呼んで区別されることが多い。
就職情報大手の「マイナビ」が、来春卒業予定(2020年卒)の大学生・大学院生約7千人に聞いたところ、4月下旬時点の内々定率は39.3%。5人に2人が内々定をもらったことになる。17年卒の同時期と比べると、2倍以上の高い割合だ。
「これで内定です。来年から一緒に働けるのを楽しみにしています」。来春入社を目指す大学生らの就職活動はすでにピークを迎え、企業の人事担当者からこう言われた人も多いでしょう。しかし法律の専門家は「10月の内定式までは安心しないほうがいい」といいます。一体、どういうことでしょうか。
■「内定」と「内々定」…