札幌市中央区の複合娯楽施設「スガイディノス札幌中央」が6月2日で営業を終える。ビルができて半世紀余り。映画館、ゲームセンター、ボウリング場がそれぞれの歩みを重ねてきた。閉店まであとわずか。ファンや従業員に思いを聞いた。
施設は1918年にできた芝居小屋から始まった。68年に現在のビルが完成。映画館、ボウリング場、サウナなどの複合娯楽施設としてオープンし、札幌市中心部を代表する「娯楽の殿堂」として市民に親しまれてきた。
だが開業から50年余りが経過し、建物が老朽化。施設を運営するスガイディノス(札幌市)は映画館、ゲームセンター、ボウリング場を市中心部のほかの場所にそれぞれ移転する考えだが、移転先は未定だ。
ビルには現在、地下1階と地上1、2階にゲームセンターが入る。ゲームセンターができたのは今から40年前の1979年。現在は社長を務める三浦尚久さん(50)は、2000年ごろにゲームセンターの支配人だった。三浦さんは1千万円ほどで、当時流行しはじめていたプリントシール機器30台を購入。1階に並べ、どきどきしながら客を待った。「自分が入れた機械に人がいっぱい集まって、喜んでくれるのがうれしかった」。
2階では懐かしのゲーム機が健在だ。「ゼビウス」(1983年)、「ストリートファイター」(87年)、「テトリス」(88年)など、往年の名ゲーム機約150台がずらりと並ぶ。同市白石区の会社員伊藤貴広さん(43)は中学生の時、数百円を握りしめて自転車でよく来ていた。「残っているのはここぐらい。昔のゲームをすると当時を思い出す」。
映画館は7、8階。ここ数年は、コンサートなどのライブビューイングや、声を出しながら映画を鑑賞できる「応援上映」に力を入れてきた。これまで、サザンオールスターズのライブやAKB48の「総選挙」などを中継。男性アイドルが主人公のアニメ「KING OF PRISM」のキャラクターの誕生日を祝う「生誕上映」では、声優が訪れるなど話題となった。
映画館の横沢康彦支配人(40…