安倍晋三首相とトランプ大統領は、拉致問題を含む北朝鮮問題での立場の一致を強調したが、今月上旬の北朝鮮による短距離弾道ミサイル発射については正反対の認識を示した。ただ、前提条件無しでの日朝首脳会談の実現をめざす方針を示す首相は、北朝鮮に融和的なトランプ氏の姿勢とは歩調を合わせた。
北朝鮮による拉致被害者の横田めぐみさん(拉致当時13)の母早紀江さん(83)や田口八重子さん(拉致当時22)の兄飯塚繁雄さん(80)ら家族15人は27日、東京・元赤坂の迎賓館でトランプ氏と面会した。
2017年11月以来2回目の面会。出席者によると、トランプ氏は一人ひとりと握手を交わし、真剣な表情で家族の訴えを聞いたという。早紀江さんがトランプ氏に、米朝会談で拉致問題に言及したことへの謝意と解決に向けた協力を訴えると、「(めぐみさんに)きっと会えますよ」と言われたという。トランプ氏が「(拉致問題に)一緒に取り組んでいく」などと話したことに家族からは期待の声が上がった。
その後の共同記者会見で首相は「日米の立場は完全に一致している。次は私自身が北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と直接向き合わなければならない」と強調。トランプ氏も「米国は拉致問題について取り組んでいきたい。努力を支援する」と述べ呼応した。
一方、北朝鮮が今月上旬に日本…