やりすぎへの是正が始まっている中学、高校の運動部活動に関して、都道府県のつくる指針がほぼ整った。休養日と活動時間について、中学は国と同じ基準で全国すべてがそろった一方、高校は14府県で国より緩い基準が設けられた。また朝練習について、8県が独自に原則禁止とするなど、制限の明文化が広がり始めた。
「殺すぞ」「殴るぞ」 部活動、消えぬ言葉の暴力
長時間拘束のブラック部活なくそう 新たな指針守れるか
中学は47都道府県で同じ基準
運動部活動については、スポーツ庁が昨年3月、やり過ぎの是正を目的の一つに、総合的なガイドラインを策定。これに沿って、都道府県や、市区町村教育委員会など学校の設置者に指針をつくることを求めた。都道府県では、奈良県の高校対象分を除いて出そろっており、公表されている内容を朝日新聞でまとめた。
国のガイドラインは、休養日について「週2日以上」、活動時間の上限は「平日2時間、休日3時間程度」と基準を示している。中学については、47都道府県が同じ基準で指針をつくった。
ただ、高校は基準が分かれた。国は、原則として高校にも同じ基準を適用するとしているが、14府県が緩い基準にした。
休養日について、秋田、福島が「平日1日と、土日のいずれかを月2回以上」とし、茨城、三重、京都、鳥取、島根、香川、長崎が「週1日以上」とするなど、国より少なくした。
活動時間の上限も、茨城、大阪が「平日2時間、休日4時間」、福島、静岡、三重、滋賀、京都、鳥取、島根、香川、大分の9府県が「平日3時間、休日4時間」など長めに設定した。
中高で差をつけた理由に関して、福島は「活動時間は準備や片付けの時間を考慮した。週末の休養日が少ないのは、校長会との打ち合わせで、『大会の数を考えると週2日は厳しい』という意見が出た」と説明。鳥取は「指針作りへの協議会の中で、『高校生は体ができているので中学生と分けて考えるべきだ』『いっぱいやりたいという高校生の意欲に応えたい』などの意見が出た」と話した。
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