令和最初の大相撲夏場所は、25歳の新星、平幕朝乃山の初優勝で幕を閉じた。一方、場所前に主役と目された22歳の新大関貴景勝は、次の名古屋場所を早くもカド番で迎えることになった。休場、再出場、そして再休場……。今場所の「迷走」を招いたものは何だったのか。
けが押して出場すぐまた休場…貴景勝、大関の自覚持って
驚かされたのは、8日目の再出場だ。4日目の取組で右ひざを痛め、5日目から休場。「約3週間の治療が必要」と診断されたにもかかわらず、一転して「痛みと腫れが急に引いた」と貴景勝本人が出場を願い出たという。炎症を抑える薬を注射し、稽古もしていない状態なのに、だ。当然、疑問の声は上がった。
師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)は最初の休場を決めた直後、再出場に否定的だった。「(けがで)相撲人生を終わらせるわけにはいかない」。再出場を表明した朝も、こう言った。「これ以上悪くしないというのが条件で、少しでも違和感があれば休ませます」
師匠自身、本心では貴景勝を出…