国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)は30日、患者の個人情報を使って病気の大規模な実態調査などをする観察研究で、国の倫理指針に沿わずに個人情報を利用していた例が158件あったと発表した。うち2件は、学内の倫理委員会の承認を得る前に研究を始めて論文まで投稿していた。会見した小川久雄理事長は「研究倫理の徹底に努めて参りたい」と謝罪した。
観察研究は、過去に受診した患者の年齢や性別、診療記録などの個人情報を使い、病気の実態や治療の効果を調べる。大規模な研究では、改めて患者から個人情報の提供の同意を得ることは難しい。国の倫理指針に沿い、国循ではホームページや診察室などに、個人情報の提供の依頼や研究の目的、拒否する方法などを掲示することになっている。
国循によると、2013年度に…