「ダサすぎ」「ホラーかと思った」――。6月の主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)を控え、交通量の削減を目指す大阪府警の動画がツイッター上で話題になり、再生回数が150万回を超えた。けなす投稿もあるが、担当者は「結果的に見ていただけて良かった」と苦笑いする。
約1分の動画は4月22日に公開された。白バイが出動する場面に、男性の低い声で「G20 各国首脳」と不気味なナレーションが入り、黒の背景に「来阪」の赤文字が浮かび上がる。その後、メルヘンチックなBGMが流れて動画は急展開。府警の交通安全啓発キャラクター「ダイヤちゃん」が登場して、女性のナレーションに切り替わり、マイカー自粛をまじめに呼びかける。
ダイヤちゃんが目をパチクリさせる演出が続く中、6月27日~30日の間、大規模、長時間にわたる交通規制が実施され、特に阪神高速はほぼ全面通行止めになることを告げる。
拡散のきっかけは動画とともに「センスがやばすぎ」と投稿された5月29日のツイート。再生回数は、府警交通部の「ユーチューブ」の公式チャンネル(
https://www.youtube.com/watch?v=-kWKdbiWOoA
)では公開1カ月余りで750回にとどまっていた。一方、投稿者のアカウントには「ホラーかと思った」、「昭和感」などと返信が相次ぎ、紹介された動画の再生回数は瞬く間に150万回を超えた。
動画は府警交通総務課の男性課員が「どうせ素人。インパクト勝負」と無料の動画編集用のソフトで仕事の合間に3日間で自前で仕上げた。ナレーション役も同課内で選抜の末、印象的な「渋い声」と「美声」の男女に決めたという。
府警が目標とする大阪市中心部の交通量半減は認知度はいまいち。同課の担当者は「ダサいと言われても、たくさん見ていただけて良かった。動画の拡散で目標達成につながれば」。(国方萌乃)