私的な録音、録画をする主たる機器がパソコンやスマートフォンに変わってきたことを受け、それらの売価にあらかじめ著作権料の上乗せを――。著作権団体の国際組織が31日、日本政府に向けたそんな決議をしたことを発表した。現在の「私的録音録画補償金」は一世代前のMDレコーダーなどが対象で近年はほとんど補償金が入っていない。時代に合わせて対象を広げるべきだとする内容だ。
決議をしたのは、日本音楽著作権協会(JASRAC)など121国・地域の団体が加盟する著作権協会国際連合(CISAC)。日本では35年ぶりの開催となる総会でとりまとめた。
文化庁の2017年度調査で、私的録音をしたことがある人が使う機器の上位はパソコンやスマホ、ポータブルオーディオプレーヤーで、いずれも補償金の対象外。JASRACなどがこれまで、実態に合わせて対象を広げるべきだと訴えており、国際組織として決議で後押しした格好だ。
ただ、これらの機器は多機能で、録音や録画に使わない人もいる。スマホにダウンロード(複製)する場合でも有料サービスで購入すれば著作権料は納められており、機器を買う際に一律に上乗せされれば二重に支払うことになる。専門家らが著作権法を話し合う文化審議会著作権分科会でも補償金制度の検討はされてきたが、こうした問題から対象拡大には慎重な意見が多く、新たな制度設計も含めた模索が続いている。
私的録音録画補償金は、199…