米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画をめぐり、岩屋毅防衛相は11日、閣議後の記者会見で、名護市辺野古沿岸部に新たに造っている護岸「K8」から同日、土砂の陸揚げを始める考えを明らかにした。陸揚げ場所を増やすことで埋め立て工事の加速化を図る。
防衛省、新たな護岸工事に着手 辺野古沿岸部の515m
岩屋氏は会見で「本日から開始すると報告を受けている。沖縄県には報告済みだ」と明らかにした。また、「一日も早い最終的な普天間飛行場の返還を実現するために、作業を一歩ずつ前に進めさせていただきたい」と述べた。
政府は現在、船で運んだ土砂を北東部の護岸「K9」から陸揚げし、辺野古南西側で土砂を投入している。K8護岸は全長515メートルの予定だが、サンゴの移植が不要な約250メートルまで建設し、これを桟橋として使い、船で運んできた土砂を陸揚げする。
県によると、政府が埋め立てを申請した際には、護岸を桟橋として使う予定はないとしていた。目的外使用だと批判している。
防衛省は昨年12月に辺野古沿岸部で土砂投入を始め、辺野古南西側の二つの区域(計約39・3ヘクタール)で土砂投入を続けている。(山下龍一)