岩屋毅防衛相は7日、陸上自衛隊宮古島駐屯地(沖縄県宮古島市)の新設式典に出席した。同駐屯地には事前説明になかった破壊力のある砲弾が搬入されていたことで、地元住民が反発。式典が行われた駐屯地の周辺でも抗議の声が響き渡るなど、混乱は続いている。
本土との溝、基地問題の行方は…沖縄はいま
宮古島駐屯地は3月26日に新設された。防衛省は地元説明会で、敷地内に保管するのは「小銃弾や発煙筒など」としていたが、その後、中距離多目的誘導弾と81ミリ迫撃砲弾が搬入されていたことが明らかになった。住民の反発を受け、防衛省は島外に一時撤去。今後は宮古島東部の保良(ぼら)鉱山地区に用地を取得し、弾薬庫を作って保管する計画だ。
こうした経緯を受け、岩屋氏は7日の式典前、宮古島市の下地敏彦市長に陳謝。岩屋氏によると、地元地区の住民にも謝罪したという。だが、反発は収まっておらず、式典の間も敷地の外から「弾薬庫はいらない」「建設反対」などの声が駐屯地内に響いた。
岩屋氏は式典後、記者団に「弾薬はすでに島外に搬出を終えている」と説明。さらに「明示的に説明ができていなかった点を反省し、丁寧に分かりやすい説明を行っていきたい」とも語った。(藤原慎一)