淡いタッチが美しい「水墨画漫画」やCGを駆使したアニメなど、中国の漫画やアニメ約200点を紹介する作品展が20日、大阪市中央区城見2丁目のツイン21で始まった。大阪市では28、29日に主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が開かれ、中国の習近平(シーチンピン)国家主席も来阪を予定する。主催者は「G20を機に、中国と日本のアニメ界も文化交流を進めたい」と話している。
主催と運営は中国政府機関や中国美術家協会など。主催者によると、中国を代表する漫画やアニメの大規模な作品展が日本で開かれるのは初めてという。
約600平方メートルの会場では、水墨画の技法で描かれた古典作品から最新のアニメ映画までを鑑賞できる。
最も古いのは「中国漫画の父」と呼ばれる豊子愷(フォンツーカイ)(1898~1975)の1930年代の作品群。豊子愷は大正ロマンの画家竹久夢二(1884~1934)の作品に青年時代に出会い、漫画には夢二の影響が多く見られるという。
中国のIT大手「テンセント」も出展。電子漫画やアニメを配信する同社のサイトは月間利用者数が1億2千万人を超えるという。担当者は「日本と同じように中国でも10代の少年少女には甘酸っぱいラブストーリーが人気だ」と話す。
22日午前9時半から「中日アニメ・漫画名家座談会」としたトークショー、同日午後3時半から開会式がある。展示は7月3日まで。無料。奈良市の奈良県文化会館でも7月9日~15日に開かれる。(長谷川健)