米航空機大手ボーイングは9日、2019年1~6月の商用機の納入機数が前年同期より37%減り、239機になったと発表した。墜落事故が相次いだ主力小型機「737MAX」の納入を3月から見合わせていることが響いた。一方、ライバルの欧州エアバスは同28%増の389機。通年でもボーイングが8年ぶりに世界首位をエアバスに明け渡す公算が大きくなった。
事故で飛べなくても200機受注 ボーイングはなぜ強い
ボーイングの納入機数のうち、事故を起こした最新鋭の「MAX」を含む737シリーズは113機。前年同期の269機から6割も減った。
今年3月にエチオピアで2度目の墜落事故が起きた後、737MAXは世界中で運航停止となり、ボーイングは同型機の納入停止と2割減産を続けている。稼ぎ頭の737MAXの急減速は、ボーイングが今月下旬に発表する予定の19年4~6月期決算に大きく影響しそうだ。
墜落事故につながったとみられる飛行システムをめぐり、米航空当局は6月、別の問題も新たに発見したとしており、運航再開は秋以降にずれこむ可能性が高い。これに伴い、737MAXを納入できない期間も長引く見込みだ。(ニューヨーク=江渕崇)