新型コロナウイルスによる肺炎の影響により、今年2月初めに1日あたり200-300台ほどだった北京怡和嘉業医療科技股フン有限公司(フンはにんべんに分)の人工呼吸器の生産能力は、今では約1200台に増加しているものの、在庫はないという。同社市場部の姜棟マネージャーは、「現在、当社が製造した人工呼吸器の約98%が海外に輸出されている」と推計した。中国新聞社が伝えた。
中国が他国に先駆けて感染症の蔓延をほぼ抑制し、他国よりも早く医療機器の大規模生産をスタートした頃、海外での感染が拡大するにつれて、中国内外で人工呼吸器に対する需要の状況が「反転」し、中国の人口呼吸器が今、世界を助けている。
姜さんは、「私たちの現在の国際営業チームは全部で30人から40人おり、最近は人工呼吸の海外輸出に関する引き合いが毎日100件ほどある」と話した。怡和嘉業は阿里巴巴(アリババ)傘下の越境ECプラットフォームの全球速売通(アリエクスプレス)でもかなりの数を輸出しており、最近は一日平均数十台が取引されている。
怡和嘉業は現在、30数ヶ国に人工呼吸器2万台近くやマスク10万枚近くを含む防疫製品を輸出しており、感染状況が深刻なイタリアや米国などが主な輸出先だという。
江蘇魚躍医療設備股フン有限公司は人工呼吸器の注文が4月分までいっぱいで、日産能力は感染症発生前の300台から現在は700台を超えた。深セン邁瑞生物医療電子股フン有限公司も海外から1万台に及ぶ人工呼吸器の注文を受けた。
状況を総合的にみた場合、中国の人工呼吸器が世界を助けるというのは並大抵のことではない。姜さんは、「人工呼吸器という製品は、技術が複雑で、部品の信頼性に対する要求が高い。マスクや医療用防護服や耳式体温計といった製品のように、すぐに生産ラインを構築することはできない。非専門的メーカーが業界の枠を一歩超えてすぐに達成し、市場の緊急のニーズに応えるというのは現実的でない上、巨大なリスクもある」と率直に述べた。
現時点で言えることは、中国の人工呼吸器の大規模輸出は3つの挑戦が待ち受けていることだ。