白岩松がキャスターを務める中国中央テレビ局(CCTV)の報道番組「新聞1+1」に15日夜、中国疾病予防管理センターの疫学首席専門家・呉尊友氏がリモート出演し、「今後3日の間に北京で報告される新規感染者数が、北京の今後の感染状況の風向きを決定づける。北京で11日に新規感染者が確認されてから、12日と13日に迅速に対策が講じられた。既に感染している人の発症は16日か17日になる。もしこの2日間の新規感染者数がそれほど多くなければ、今回の感染状況は安定し、ほぼこの程度の規模に収まることになると言えるだろう」との見方を示した。
呉氏は、「北京ではここ約2ヶ月、市内において新規感染者が確認されていなかったにも関わらず、突然新規感染者が発生したということは、海外や北京以外の地域からウイルスが流入した可能性が一番高い。研究者が感染者からウイルスを分離し、新発地市場の食品や加工場所などの表面からサンプルを採取してウイルスを分離したところ、市場で確認された表面に付着していたウイルスと感染者から分離されたウイルスは完全に一致していた。中国で流行したコロナウイルス株と世界各地のコロナウイルス株を比較したところ、欧州で主に流行しているウイルス株である可能性が極めて高いことが確認された。ただ、欧州で流行している主なウイルス株であるからといって、必ずしも欧州由来であるとは限らない。米国で流行しているのも主に、欧州で流行しているウイルス株となっている。そのため、どの国由来かは現時点では確定できない」と説明した。
北京と武漢ではなぜ農産品市場が感染拠点に?
この質問に対して、呉氏は、「とてもいい質問で、非常に重要な点でもある。今回の北京の新発地市場で発生した感染と、当時湖北省武漢市の華南海鮮市場で発生した感染を比べると、一定の類似性があることが分かる。北京の現在の状況は、武漢の初期の状況に似ている。そこに共通した法則がないか、私たちは今考え、分析し、調査している。これらの市場には、湿気が高いという共通の特徴がある。日当たりが悪く、気温が低い場所は、ウイルスが生存しやすい可能性がある。しかし、現時点ではっきりしていることは、ウイルスの発生源は北京ではなく、他の場所から流入したという点だ」との見方を示した。
伝播チェーンやサーモンなどの海産物に対する懸念をどう見ればよいか?
この質問に対して、呉氏は、「サーモンに関する報道が一部の誤解を生んでいる。サーモンから採取されたサンプルから新型コロナウイルスが検出された、または、サーモンを加工するまな板から採取したサンプルから新型コロナウイルスが検出されたというのは、それが汚染されていたということにすぎない。それは、新発地市場で生じた汚染の可能性もあるため、海外から輸入された時、または魚自体が始めから汚染されていたということにはならない。市場の環境からは、サーモン以外の物からも新型コロナウイルスが検出された。特に、同じ大ホールの他の物の表面から検出された。それは、その環境のなかのものが汚染されていたことを示しているにすぎず、それ以上のことは何も言えない」と指摘した。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年6月16日