新型コロナウイルス感染症が発生してから、日本政府は電子政府システムの開発が遅れ気味になり、感染者情報の漏れや二重統計などの問題が相次いでいる。ここ数年、日本政府は行政のデジタル化建設を加速してきたが、感染症の中で明らかになったのは電子政府の現状は思い描いた青写真の「充実ぶり」とはかけ離れていること、日本の電子政府発展の道のりはまだまだ長いことだった。「経済日報」が伝えた。
日本は工業大国、電子大国であり、特に自動車製造と一部の電子・電気製品、半導体などの産業ではグローバル産業チェーンの川上に位置する。長年にわたり、日本は先進国として振る舞ってきた。しかし感染症が発生すると、中央政府も地方政府も電子政府システムの開発応用の遅れによる弊害が露呈し、感染症の広がりの中でしばしば苦境に陥った。
新型肺炎の感染者数を正確に把握することは、対応する政策を制定し救急救命措置を決定するための基礎だ。「緊急事態宣言」が出ていた5月11日、東京都は報告システムに問題があったため、感染者数に111人の報告漏れがあり、その中には死者4人が含まれていたこと、また35人が重複して計上されていたことを明らかにした。調査によると、それまで東京都には感染症の電子報告システムがなく、各医療機関が新たな感染者の情報をその都度、保健所に報告していた。毎日夕方になると31ヶ所ある保健所が電話かファクスで東京都に感染状況を報告し、都がまとめて公表していた。こうした状況の中で、ファクスの受信側の回線が混み合って送信ができないケース、ファクスが複数回送信され重複して計上されるケースなどがあり、ファクスで3回重複して計上されたものもあった。調査の結果、4月中旬から、31保健所で報告の送受信がうまくいかなかったケースが20件あったことがわかった。5月12日、都はオンライン電子報告システムを緊急発動し、双方向のネットワークでのチェックが可能になった。都の当局者は、「感染症がこれほど厳しいものになるとは思わなかった。今後は電子システムを通じて社会に正確な情報を提供していく」と反省の弁を述べた。報道によれば、5月8日まで、日本の厚生労働省も電話かファクスを通じて各監督管理機関が把握した状況をまとめていただけで、翌日9日からやっと各地のサイトを通じて感染状況のデータをまとめられるようになったという。
日本政府が制定した感染症緊急対策には、3498億円を投じた企業の雇用調整への補償があり、企業にネットワークシステムを通じて各地方自治体の厚生労働機関に申請書を提出するよう求めた。しかし申請の受付初日の5月20日、一部の企業が申請書に記した個人情報がすべてネットで公開され、プライバシーが漏洩していることを発見した。
これを受けてネットによる申請はただちに停止され、厚生労働大臣が公開の場で謝罪した。6月5日にシステムは復旧して再び公開されたが、その日にまた個人情報の漏洩があった。最終的にすべての企業が紙の申請書を地方自治体の受付センターに郵送するか持参するしかなかった。このことは手続きの処理ペースに大きく影響し、6月中旬になっても約16万件の申請のうち、審査認可が終わり給付された割合は60%に満たない。
これと同時に、日本政府は住民1人につき10万円の特別定額給付金を支給すると決定した。日本では16年から希望者には1人に1枚ずつマイナンバーカードを発行しており、身分証として使えるほか、銀行のキャッシュカードや年金などと紐付けすることもでき、公共サービスの利便化を促進するはずだった。しかし今年5月中旬現在、カード普及率は16%にとどまり、多くの住民が特定給付金を申請する際には、郵送という昔ながらのやり方をしている。このような状況には驚くほかない。21世紀の日本では20世紀の手順とやり方がいまだに踏襲されている。