中国国家図書館は9月2日、「旧日本軍細菌戦データバンク」や「中国侵略日本軍細菌戦史料公文書集」などの整理された文献を発表した。データバンクは、無料で一般公開されている。北京日報が報じた。
「旧日本軍細菌戦データバンク」は、国家図書館が海外から集めた旧日本軍の細菌戦に関する公文書を基本素材とし、各文書のページごとにインデックスが作成されている。旧日本軍の細菌武器研究・実験、旧日本軍が中国で行った細菌戦、旧日本軍が行った人体実験、旧日本軍の戦争捕虜や一般庶民に対する暴力行為、連合軍が旧日本軍の細菌戦に関係する科学研究者、軍人に対して行った調査、連合軍の戦争犯罪をめぐる裁判などの史料約1万ページが含まれている。
公文書は、極東国際軍事裁判で、いわゆる日本の細菌戦の「研究成果」を取得するために、米国が不正な手段を使い、中国の国民が旧日本軍に対して細菌戦の罪を追究する権利を奪い、日本と秘密裏に取引をしていた内幕を、系統的に明らかにしている。そのため、旧日本軍の細菌戦の罪を研究するうえで重要な史料となっている。データバンクには、旧日本軍の細菌戦公文書、人物索引、地名索引、機構索引、疫病索引、関連の報告、ハバロフスク裁判の記録、関連の歴史的事件の8つの索引があり、各公文書に中国語で説明が加えられている。そして、ページごとのインデックス、データバンク全体の知識ポイントからの精度の高い検索を実現している。
「旧日本軍細菌戦のデータバンク」の発表に合わせて、国家図書館がリリースした「中国侵略日本軍細菌戦公文書集」は、史料原本を写真撮影して出版しており、専門家や学者の研究に役立つ。また、発表記者会見の会場には、「抗日戦争文献史料集」や「対日戦犯裁判文献資料集」、「近代日本対中調査資料集」など、一連の抗戦史料1000冊以上が展示されていた。
これら成果は、軍事、政治、経済、社会、交通、国際、抗戦損失、戦犯裁判などの資料を含み、抗日戦争の時期の中国の社会の状況をリアル、かつ網羅的に紹介しており、史料的価値、文献研究的価値が非常に高い内容となっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年9月4日