日本の財務省はこのほど2020年の貿易統計(速報)を発表した。それによると、同年の日本の輸出額は前年に比べて11.1%減少したが、対中国輸出額は2.7%増加し、中国は同年の日本にとって唯一の輸出増加を達成した貿易相手国になった。また中国は2年ぶりに米国に取って代わり、日本にとって最大の輸出国になった。
世界2位と3位のエコノミーとしての中国と日本は、過去100年にもみられなかったような構造の変化に新型コロナウイルス感染症が加わった大きな背景の中で、二国間貿易にどのような新たな注目点がみられるだろうか。
日本紙「日本経済新聞」は、中国は感染症の中で低迷状態に陥った日本の輸出の回復を牽引していると報道している。日本の財務省の統計データでは、日本の対中輸出で増加したのは主に非鉄金属、自動車、プラスチック、紙類・紙製品で、増加率はそれぞれ41.1%、15.8%、8.7%、26.6%だった。
中国社会科学院日本研究所の李清如副研究員は、「2020年を見渡すと、中日経済貿易関係は感染症の中でその強靱性を示した。具体的には、供給と需要両方の相互作用により、中日両国の経済・貿易のつながりが一層緊密になった。供給の面では、20年、日本の対中輸入総額は前年よりやや減少したものの、繊維原料及び繊維製品、コンピューター、音声・映像製品とその周辺機器の輸入額は増加を維持し、対中依存度が非常に高かった。需要の面では、中国市場は日本企業の輸出に機会を提供した。一方で、中国国内の生産が回復して、原料、部品、設備の需要が増加した。他方で、中国国内の消費が拡大して、市場のポテンシャルがその役割を発揮し、自動車などの製品に対する消費ニーズが増加を続けた。同時に、グローバル・バリューチェーンの深化と発展にともなって、日本は中間製品の提供などの方法を通じてバリューチェーンにさらに食い込んでいった」と述べた。
外交学院国際関係研究所の周永生教授は、「20年の中日貿易額はここ数年の増加傾向が続いた。中日両国は地理的に近く、経済の相互補完性が強く、これに東アジア経済全体の活力の高まりが加わり、両国は長期にわたり深く広い経済協力と大規模な貿易額を維持し、中国は10数年連続で日本にとって1番目の貿易相手国になった。17年以降は、中日貿易の規模が急速に回復した。20年は感染症の圧力を受けながら、中日貿易額は前年比1.2%の増加率を達成した。20年11月には、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が調印され、中日はこれをプラットフォームとして新たな自由貿易パートナーシップを構築した。過去数年間、米国政府がいわゆる『米国ファースト』政策を掲げ、一国主義による貿易政策を実施したため、同盟国の日本も抑圧されることになった。感染症が発生して以来、経済低迷の厳しい状況に直面して、日本の国内世論は、米国に依存するだけではやっていけない、地域経済の一体化協力を強化することで、対米経済貿易にかかる圧力を相殺し、日本の国内経済の衰退を食い止めなければならないと考えるようになった。こうして、日本は対外経済貿易往来を積極的に強化し、RCEPにも加わり、対外貿易によって経済を牽引しようとしている」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年2月5日