四川省出身の女性・飛飛さんは、今年は北京で春節(旧正月、今年は2月12日)を過ごしたものの、春節当日未明に、バスルームの鍵が壊れて、30時間以上も出られなくなるという、ハプニングに見舞われた。
この日、飛飛さんはバスルームに入った際、何の気なしにドアを閉めた。その際、中から鍵はかけなかったにもかかわらず、バスルームを出ようとしたところ、ドアが開かなくなっていることに気付いた。
「ドアノブが回る音は聞こえたものの、鍵の部分は動いていなかった」と話す飛飛さんは様々な方法を試し始めたが、何をやってもドアは開かなかった。そこで、シャワーヘッドを取り外して、ガラス窓を割って、そこから手を伸ばして外から開けようとしてみたものの、その隙間は小さすぎて届かず、どうしても外に出ることができなかったという。
また飛飛さんは外部の人に助けを求める方法も試してみたという。まず、室内の人工知能デバイスに話しかけて、時間を確認。バスルームには窓がなかったため、1時間おきに大声で助けを求めたものの、誰も気付くことはなかった。
何度かにわたって外部に助けを求めてものの、助けが得られなかったため、飛飛さんはその場でとりあえず寝て、体力を温存することにした。そして、喉が乾くと、水道水でのどを潤した。
飛飛さんはその日の午後には宅配便が届くことになっていたため、配達員が気付いてくれることに希望を託したものの、結局、その願いもかなわなかった。
「どうすればいいのか分からなくなってしまい、その時は絶望した。例えば水をずっと流し続けることで水道メーターの動きから注意を引くことはできないかなどという方法も考えた。結局、冷静になって考え、下水道管を叩くことで近所の人の注意を引くことにした。そして、ほぼ1時間おきに1回、一定の長さで叩きづ付けた」という。
その後、翌日の午前4時過ぎ、深夜で静まり返っている時に、下水道管を叩いていたところ、ついに下の階に住む男性がその音に気づいてくれた。飛飛さんによると、その時、大声でその男性に、玄関ドアの電子錠のパスワードを伝えた。そうして、家に入って来た男性は、飛飛さんがバスルームから出られなくなっているのを確認すると、鍵開け業者を呼んでくれた。
そして、業者がカギを切断して、飛飛さんはついに外に出ることができた。その時点で、出られなくなってから30時間以上が過ぎていたという。
飛飛さんは、感謝の気持ちを示すため、食事をご馳走しようと、下の階に住む男性と微信(WeChat)を交換。さらに、鍵開け業者もいったん帰った後、牛乳とパンを持って戻って来てくれて、飛飛さんは「とても感動した」という。
浴室に閉じ込められるというトラブルを経験した飛飛さんは、都市で一人暮らしをする人に向けて、「トラブルに遭遇した時は、まず落ち着いて、体力を温存し、できるかぎり計画を立てて、助けを求める方法をいくつか考えておくこと。難しい状況であればあるほど、強いメンタルが必要になる。次に、家族や友人といつも連絡を取るようにし、連絡が取れなくなって何時間経ったら通報するかも決めておくといい。また、可能であれば、声で操作できる人工知能デバイスを置いておくのもいいだろう」とアドバイスしている。
また鍵開け業者も、「都市で一人暮らしをしている場合は、スマホなどの通信設備を常に手放さず、きちんと充電しておくことも大切。そうすることで、トラブルなどが発生した場合、助けを求めることができる」と呼びかけている。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年2月22日