昨年１２月、入浴中に起きた不慮の事故のため、５４歳の若さで急逝した歌手で女優の中山美穂さんのお別れ会が２２日、東京・有楽町の東京国際フォーラムホールＢ７で営まれた。喪主は実妹で女優の中山忍（５２）が務め、歌手で女優の小泉今日子（５９）や映画監督の岩井俊二氏（６２）が友人代表としてお別れの言葉を述べた。第１部には「８５年組」の同期である森口博子（５６）、共演経験のある永瀬正敏（５８）や香取慎吾（４８）ら関係者約８００人が参列。一般献花の第２部もファン１万人が参列し、スーパースターに別れを告げた。

　友人代表としてマイクの前に立った小泉は、アイドル時代からの盟友を涙ながらに悼んだ。「中山美穂さま」と切り出し、出会いを回想。当時１６歳の美穂さんとテレビ局の控室が同部屋となり、「瞳を見た瞬間に、あなたとは仲良くなれそうだと思ったのでした」と記憶を呼び起こした。

　「美穂」「キョンちゃん」と呼び合い、青春時代を駆け抜けた。それぞれ節目を迎え、会う機会が減ってもなお「どこかで必ず会えると思っていた。会ったら話したいことがあった」と気にしていたといい、急逝に接して「あなたのお別れの言葉を述べるのは想定外でした」と語りかけた。

　長年の友人という立場から、美穂さんと天国で出会う人々に向けて美穂さんの“取扱説明書”を読み上げた。

　「①ものすごくはしゃいでいる時は、問題を抱えている可能性があります②機嫌が悪そうに見える時は、おいしい食べ物やお酒を与えると元に戻ります③自分の気持ちを伝えるのが苦手④すぐに人を信用する⑤よく泣きます」。

　最後に「いよいよ、私もあることをあなたに言わなければならなくなりました」と切り出すと、思わず涙声になった。「美穂…さようなら。美穂…よく頑張った。美穂…ありがとう。かわいい妹。美穂…元気でね。美穂…そのうち行くから待っててね」。何度も名を呼び、愛の言葉を重ねた。

　◆第１部の主な参列者　永瀬正敏、片岡愛之助、藤原紀香、谷原章介、藤あや子、紫吹淳、吉田栄作、豊川悦司、竹中直人、鶴田真由、別所哲也、島崎遥香、井川遥、西島秀俊、上地雄輔、ＹＯＵ、石田ゆり子、森口博子、香取慎吾、ミッツ・マングローブ、松平健、石田純一（順不同、敬称略）